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成功に必要な意志と勇気
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SINCE 2009/10/03

必要なのは成功しようという意志と始める勇気
リエンジニアリングの手法は日本のマネをしたのではないとマイケル・ハマー氏は、はっきり断言している。
 しかし、そのルーツをたどってみると、リエンジニアリングの手法の中に、当然のように日本の効率化の手法が入っていることは否定できない。
アメリカの企業は『Made in America』などのアメリカ産業復活シナリオをみて行動を起こしたのである。
そしてそのシナリオは、日本的手法も必要だとはっきりと述べている。

アメリカの企業は、日本という競争相手、あるいはドイツ企業という競争相手を頭に描きながら、新しい企業行動を起こしたことは事実である。
これらアメリカ企業の行動というか新しい経営思想をみて、マイケル・ハマー氏はリエンジニアリングということを主張しているわけである。
 この中に日本的手法が入っているのはむしろ当然だろう。
リエンジニアリングという考え方の流れについて、住友化学工業の香西社長は、「P・F・ドラッカーさんが、マイケル・ハマー氏のリエンジニアリングを盛んに推薦しています。
このリエンジニアリングの流れは、ドラッカーさんのポスト資本主義社会という考え方からきているからだと思います」
と述べているが、思想的には大転換期を世界が迎えているということで一致点があると思われる。

21世紀の組織と人間はどう変わるかを論じたP・F・ドラッカー氏の『ポスト資本主義社会』の中に、次のような指標がある。
『先進国は、知識労働者とサービス労働者の生産性を向上させない限り、しかも急速に向上させない限り、経済の沈滞と社会の緊張に直面する』

 サービス労働者の仕事の多くは物を作ったり運んだりする仕事に似ている。
 サービス労働とは、データ処理、請求事務、消費者対応、保険支払い事務、自動車免許更新事務などである。
政府機関の仕事の3分の2、民間企業や大学や病院のサービス労働の3分の1以上がこの類の仕事である。
 それらの仕事は、事務所で行われている点においてのみ工場との差異を認めることのできる『生産労働』である。

しかし、それらサービス労働者の生産性の向上をはかるには、仕事の再設計が必要である。
それらの仕事が最大の成果をあげ、最大の貢献を行うには、分析と再設計が必要である。
実は、それらの仕事に限らず、知識労働者とサービス労働者という新しく中心的な存在となってきた労働力によって行われる仕事はすべて、その生産性を向上させるためには、新しい概念と新しい設計が必要とされる』

このように、リエンジニアリングの思想的背景のひとつは、P・F・ドラッカー氏の著書にあるのだ。
そしてその具体的な手法は、『Made in America』などによって始まったアメリカ産業復活の設計図にあり、それを実行したアメリカの企業経営者の努力の跡であるといえよう。
これらを手本にして、日本の経営者が再び動き始めるのは、当然のことである。


成功に必要な意志と勇気
年功序列が保たれている日本社会

(C)アメリカが見習った日本的企業行動

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